建築塗装業界には、かなりヤバめな業者が存在します。
塗り替え工事を検討中の皆様を守るため。そんな業者に騙されないために元職人の知識から個人的な意見も織り交ぜてアドバイス出来たらと思います。
悪徳業者を見破れない理由
どんな工程で塗装工事をしても、塗装をした直後はめちゃくちゃ綺麗。
正直なところ、グレードの低い塗料を塗ったり、どんなに工程を省いても上塗りさえしっかりすれば、見た目の違いは一般の方には認識しづらい点があります。
当たり前の工事をすれば、手を抜く作業など1つも無いのですが、それをやるのが悪徳業者です。
例えば外壁の塗装の場合は大雑把にですがきちんと行えば、このような工程になります。
高圧洗浄→シーリングの打ち替え→窓などの養生→下塗り→中塗り→上塗り
しかし、手抜きをする業者はこんなことも平気でします。
窓などの養生→上塗り
極端ですが実際に以前現場が隣同士になった業者はこのような工事をして物凄い速さで風のように去っていったのを見たことがあります。
屋根の塗装にしてもきちんと行えばこのような工程です。
研磨等の下地処理→錆止め(必要ない場合もある)→中塗り→上塗り
では、上記の現場で実際に見た業者はどうでしょう。。
ホウキで屋根上のゴミをサッサ→上塗り
『う~ん。。』って感じですね。
しかし、塗った直後はピカピカで綺麗に見えてしまうのです。何もわからない施主さんはそれで満足してしまうのです。
工事金額の一般的な相場がわかりづらい。
一般の方からすると、妥当だと思う工事金額がわからないため、相場より極端に高かったり、極端に安かったりしてもその価格が普通だと勘違いしてしまうのです。
高い安いの感覚は施主さん一人一人違うので、いざ見積りを持参すると、『もっと高いのかと思ったけど、こんなもんなんだ。』という方もいるし、『こんなに高いのか。』と言う方もいて様々です。
後程説明しますが、このような発言をする感覚を持った方は注意が必要です。
こんな業者は悪徳業者の可能性アリ!
※全ての業者さんが悪徳というわけではありません。
他地域からの訪問販売
これはよく耳にする例ですが、いきなり飛び込みで他地域から営業マンが来て『塗り替え時期のお家を見て回っています。』等言いながら近づいてきます。
隣町くらいの業者さんならまだわかりますが、遠方から来る業者には注意が必要です。
これは僕の勝手な持論ですが、『信頼のある立派な業者なら、わざわざこんな遠くまで来なくても仕事もらえるだろ。』『騙しても地元でバレないように遠くまで来てるんだろ。』 とか思ってしまいますけど、どうでしょう?笑
実際に遠くから営業に来た塗装業者に施工させて、1年程で不具合が起き、電話をしてもなかなか見に来てくれない、やっと来たと思っても『とりあえず点検をして出直します。』と言ったきり二度と現れることがなかったという業者がいたことも、施主さんから聞いています。
もちろん、飛び込みの訪問販売が全て悪いとは思いませんが、注意してください。
工事金額が地域の相場より極端に高い
相場というのは地域によって多少の差はあるのですが、極端に違うということはありません。
例えば、適正価格が70万円という住宅があったとして、同じ工事内容で100万円以上の見積りが来たとすれば高すぎです。
しかし、先程の施主さんの発言を思い出してください。
『もっと高いのかと思ったけど、こんなもんなんだ。』
こんな発言をしていた施主さんに、もしも70万円でできる工事なのに120万円の見積りが来たら。。。
きっと、その金額が妥当だと勘違いして依頼してしまうでしょう。
120万円でもしっかりとした施工をしてくれれば、まだマシですけどね。
目も当てられないのが次の項目です。
工事金額が地域の相場より極端に安い
最近このような業者が物凄い勢いで増えています。
例えば、適正価格が70万円の住宅があったとして、『40万円でやります!』という業者が実際にいます。
その30万円の差額を埋めるテクニックは何だと思いますか?
手抜きです。
優良業者さんが職人さんを雇い精一杯施工して70万円かかるのを40万円で施工したならば、100%赤字です。
黒字にするには材料費を抑え、工事日数も抑え、物件の数を大量にこなす事です。
- 材料費を抑える~一回塗りで終わらす事や、必要以上に塗料を希釈して使用する。等
- 工事日数を抑える~必要な工程を抜く。等
- 物件を大量にこなす~他の業者より価格を安くすることで工事依頼を受け、上記の手抜きテクニックで最短期間で工事を終わらす。
このような施工をされた住宅は3年以内に何かしらの不具合が起きることは明確です。
保証をしてくれるのならばいいですが、その業者が悪徳業者だった場合は保証なんてしてくれないどころか『やったらやりっぱなしで、さようなら』という感覚なので連絡しても来ません。
本来なら次回の塗り替えまで10年持つところが、1,2年で不具合がでるようだと、40万円という大金を捨てたようなものです。
ここで先程、適正価格で見積りが出されたはずなのにこんなことを言っている方がいました。
『こんなに高いのか。』
この方は適正価格の70万円という金額が高すぎという認識をもっています。
そこで40万円という見積り金額を見た時、すぐに安い業者に依頼をしてしまいますよね。
ここで古より伝わる名言が発動されます。
『安物買いの銭失い』
目先の金額に惑わされずに、よく考えてから依頼するように注意してください。
本当に最近この手の話が多くて、優良業者さんの仕事が減り、施主さんも後悔で泣いています。
得をするのは悪徳業者のみです。
契約を急がせる。
最近はお客さん獲得のため様々なキャンペーン等の企業努力をしている業者さんが見られます。
期間限定の割引などですかね。
しかし、怪しげなキャンペーンもあります。営業に来て『その日のうちに契約してくれれば割引します。』みたいな感じで、他の業者に相見積もりを取らせないように契約を急がせるスタイルです。
説明不要で怪しいですが、このような手口には注意してください。そんなに急いで工事をしなくても急に建物がダメになるなんてことはありません。
落ち着いて優良業者さんを探しましょう。
信頼できる塗装業者さんを見つけるポイント
※個人的な意見でもあるので参考程度にしてください。
地元の塗装店さんに直接依頼しよう。
理由はいくつかあります。
・地元で長年、塗装業を生業としているため、信頼と実績がある。
地元で長年にわたり塗装業をするには、適当な仕事をしていると、すぐに口コミで広がります。そうならない為に手を抜かずに誠心誠意お客さんと接して信頼関係を築こうと努力してくれます。
もちろん各塗装店さんで腕の差なんかはあるかもしれませんが、何か不具合があれば駆けつけて対応してくれる業者さんが多いです。
・ハウスメーカー等に依頼すると中間マージンが発生する。
ハウスメーカー等を通すとマージン(紹介料)が発生するため、実際の工事代金より高く請求されることがあります。
その点、直接依頼すれば正規の価格で工事をしてもらうことができます。
身近な知り合いに紹介してもらおう。
・身近な知り合いで実際に塗装工事を依頼した方はいませんか?
やはり実際に依頼経験のある方から聞く業者の評判は一番説得力があります。
身内の方でもいいし、近所の方でもどなたかいるはずです。
その方に話を聞き、満足度を確かめてください。塗り替えた住宅の状態を見させてもらうのもナイスです。
・地元の塗料販売店に相談してみましょう。
どうしても知り合いに依頼経験のある方がいない場合は地元の塗料販売店を訪れてみましょう。
地元の塗装店さんが利用してることもあり、塗装店さんの評判などに精通しているはずです。
まとめ
業者を見つけるには、知り合いからの紹介がベストですが、自分で探す場合には数社から相見積もりをしてもらい金額の相場を確かめる。
急な飛び込みの訪問販売にはすぐに返事をするのではなく、よく考慮するように注意する。
わからない時は詳しい人や塗料販売店に相談する。
『でも、一括でそんな大金払えないよ。なるべく安い業者にしよう。。』という方は業者さんに分割支払いの相談をしてみてもいいです。
いくら安くても大金には変わりないので無駄にならないように慎重に行動しましょう。
きっと信頼できる業者さんが見つかった時は、長い付き合いになるはずですので、あなたの住宅のことを大切に思ってくれる素晴らしい業者さんと出会えることを願っています!
おわり