ご自分で金属屋根の塗装をする方いますか?
『業者さんに頼むと高いから自分でやってみたいんだ。』
『自分の家だから自分でやってみたいんだ。』
とか、理由は様々ですが最近増えているように感じます。
苦労して建てた我が家が自分の手でピカピカになるところを想像すると愛着も倍増しますよね。
しかし、100%上手くいくとは限りません。
失敗する可能性を最大限低くするため、注意点をまとめてみました。
屋根塗装の主な失敗例
屋根塗装の失敗例でぶっちぎりで多いのが塗膜の剥がれです。
他には塗膜の縮れや艶引けなどいろいろな失敗例があります。
今回は剥がれに注目してみます。
剥がれないようにするための注意点
ケレン(研磨)をしてください。
金属屋根の塗装にとって大事な工程の1つケレン。
ケレン(目荒らし)についてはこちらをご覧ください。
しっかり密着させるためには大切な工程なので必ず行ってください。
しっかり調合割合を守り、よく混ぜる。
まず、一般の方でよくありがちなミスで攪拌不足があります。
缶をシャカシャカ振っただけで使うのはNGです!
塗料は意外と缶底にごっそり溜まっている時があります。
しっかり混ぜないと上澄みだけ塗ることになり、必ず問題が発生します。
缶の上面を切ったり、他の容器に中身を全て移してしっかりと混ぜましょう。
そして、塗料用シンナーで希釈して使うのですが、必要以上に入れてしまうと塗った際にペラッペラの塗膜になり、すぐにボロボロになってしまいます。
しっかりカタログ通りに調合しましょう。
素材に合った下塗り塗料を塗りましょう。
通常のトタンだと錆びていなければケレンのみで十分です。錆びていれば錆止め塗料を塗ります。
最近だとガルバリウム鋼板が屋根材に使われていることが多く、密着の関係から2液変性エポキシさび止を推奨している塗料メーカーもあるので注意してください。
上塗りはきちんと二回塗りしましょう。
上塗りの際も、よく聞くのが『一回塗りで十分仕上がりが良かったからOK』なんて話を聞きます。
正直見た目は良いかもしれませんが、一回塗りでは塗膜が薄すぎて塗料本来の性能が発揮できません。
紫外線を透過し塗膜の内側から痛んで剥がれる原因にもなります。
そして一度に必要以上に厚みをつけて塗るのもNGです。塗膜の割れなどの原因になりそこから剥がれてくることもあります。
塗装の基本は薄く何度もです。
しっかり二回塗りしましょう。
塗料の選定。
一般の方が使用することを考えた場合、オススメなのが、1液シリコンルーフペイントです。
各塗料メーカーで必ずあります。
他にもアクリル、ウレタン、2液シリコン、フッ素など様々なグレードがあります。
何故1液シリコンがいいのかと言うと、使いやすく性能も良いからです。
これに尽きます。
2液型とは主材と硬化剤を混ぜて使うのですが、計量器で割合をきっちり測り、作った塗料はその日のうちに使いきらなければいけません。
もちろん、1液シリコンより2液シリコンのほうが性能は良いですが一般の方が使用する際には1液シリコンでも十分高性能なので、オススメしています。
個人的な意見ですが、住宅の屋根にアクリルはオススメしません。価格は安価ですが、塗膜がそこまで強くないので次回の塗り替えの際に再溶解が起こり縮れなどの悪さをする可能性が高いです。
物置など、お金をかけたくない箇所などに使うのは良いと思います。
フッ素は価格が高過ぎです。ただし沿岸地域など過酷な環境で使用するなら、少しでも長持ちさせるために使用するのはとても良いと思います。
屋根専用塗料を使用しましょう。
塗料にはたくさんの種類があり、用途によって別れています。
屋根には屋根用の塗料があるのでそちらを使用しましょう。
出来ることならプロ仕様の塗料を塗りましょう。
ホームセンター等で売っている家庭用ペンキは使い易さがメインで性能が良いとは言えません。
例えば同じシリコンでもイメージするとこんな感じです。
これだけ違ってもシリコンはシリコンなのです。性能がまったく違います。
きっと地域に業者さんが利用する塗料販売店があるはずなので、そちらから購入しましょう。
剥がれ防止のまとめ
塗膜の剥がれはどれだけ注意して施工しても建物の構造上の問題や環境などが原因で剥がれる時は剥がれます。
しかし、これだけの項目に注意して施工をすれば剥がれる可能性を極限まで低くすることができます。
きっと上手に塗れた時は気持ちいいと思いますよ。作業される時はケガに気をつけてやってみてください。
※屋根上ということで危険も伴います。
自分でやるのが大変な場合は迷わずペンキ屋さんに依頼しましょう。
おわり